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「テッド・バンディ ~連続殺人犯を愛した女~」(Amazonプライム)★★★★★★★★★☆

2020.07.13 「テッド・バンディ ~連続殺人犯を愛した女~」をAmazonプライムで視聴した。

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Amazon.co.jp: テッド・バンディ ~連続殺人犯を愛した女~を観る | Prime Video

 

Amazonプライムオリジナルのテッド・バンディのドキュメンタリーシリーズである。

Netflixにもテッド・バンディのドキュメンタリーがあるが、こちらとは別物。

こちらの方がずっとよくできていて、なのに有名ではないようなので、ぜひ紹介したい!と思い記事を書く。

このシリーズは、5話にわたるドキュメンタリー(1話は1時間にも満たない長さ)であるが、あまりに惹きこまれて一気見してしまった!

あと、注意としてなぜか字幕がついていない状態で再生されることがあるのだが、日本語字幕を設定すればきちんと表示されるので英語がわからない方でも安心して見られます(追記)

※ぜひ見て欲しいのでネタバレはしません。

 

 

タイトルの通り、この話は女性ばかりを狙った連続・猟奇殺人犯であるテッド・バンディにまつわる女性のインタビューを中心に構成されている。

彼の特徴は、裏ではたくさんの女性を誘拐・凌辱・惨殺しておきながら、表の顔は非常に温和かつ賢く、モテる魅力的な男性であったということだ。

裁判では自分の頭の良さを生かして、弁護士をつけず自分を弁護したことでも有名。

このドキュメンタリーは彼の犯行についても、時系列も含めハッキリと非常にわかりやすく説明されているため、事件についてまったく知らない人でも興味深く見られると思う。

 

 

インタビューの中心人物は、長年彼の恋人であったエリザベスと、その連れ子で、バンディに実の娘のようにかわいがられたモリーである。

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そのほかにも、バンディの弟や、被害者遺族や友人、凶行からなんとか生還した女性たち、捜査で活躍した女性たち、バンディの仕事仲間など、多数の人物(主に女性)が登場する。

1970年代からの時代背景や女性の扱いの変化も交えて、ドキュメンタリーは進んでいく。

凶行におよぶ前のバンディとエリザベス、モリーの3人の幸せな生活。

近所で女性の誘拐や惨殺が続き、少しずつ、しかし確実に、バンディとの生活に違和感を覚えはじめるエリザベスとモリー

実際にバンディに凄惨な暴行を受けたことを詳細に語る、今でも重い障害を持った女性。

当時「女性にはふさわしくない仕事」とされながらも、殺人鬼を決死の思いでなんとかしとめようとする女性警官たち。

犯人がバンディだったことに気づき、愕然とする周りの人びと。

などなど、すべての情景や感情が実際の人間の発言によって、色濃く、とても生々しく描き出される。

小さなエピソード1つ1つをとっても、現実とは思えないようなショッキングな内容が多い。

 

 

このドキュメンタリーから、バンディは数え切れないほどの女性を凌辱し、惨殺してきたが、その人たちだけではなく、もっともっと多くの人生を破壊してきた人物だということがわかる。

どの人物のインタビューにも、悲しみ、怒り、「あのときこうしていればよかった」という後悔があった。それはすべての人にとって一生消えないものとなっている。

特にエリザベスの娘であるモリーによる、「愛していた父親同然の人物が、実は世界一の悪魔であった」ことがどれだけのショックであったかを語るシーンはとても辛い。

だが、エリザベスもモリーも、もがき苦しみながらもなんとか前に進もうとしている。

最終話ではモリーが、トラウマにも負けず、非常に勇敢かつ、強く聡明な女性に成長したことがわかるシーンがある。

彼女は最後に、いちばん賢く、いちばん勇気があり、いちばん母親想いの行動をとるのだ。

このシーンには心が震えた。ぜひ見て確かめて欲しい。

ほかにもこのような悪夢を乗り越え、夢を叶えた女性や、強く生きる人々の姿がこのドキュメンタリーには描き出される。

これは単なる犯罪ドキュメンタリーではなく、彼に欺かれたり、傷つけられた女性たちが、どうやって自分の人生を取り戻し前に進むかという物語なのである。

 

 

このドキュメンタリーの最後にエリザベスは「このドキュメンタリーが、バンディに関わる最後の機会になればと思う」と言う。

私も本当に、心からそう祈っている。彼女たちがこれからもずっと平和に暮らして、自分の人生を取り戻して欲しい。

同時に、このような悪魔が二度と生まれないことを心から祈っている。

 

 

 

 

(余談だが、Wikipediaには、バンディが「エリザベスの家で生首を1つ燃やしている」と自白したことが書かれている。

このことについてドキュメンタリーで触れられることはなかったが、きっとこの事実を知った時は耐えがたいショックだっただろう。

恋人もそうだが、少女のいる家でそんなことをしていたのかと思うと…腹の底から怒りがこみあげてくる。)